レッスン14: ポートフォリオページのべーススタイルを整えよう

これまで学んできたCSSの知識を活用し、ポートフォリオページの作成を始めます。まずは全体のベーススタイルを整えましょう。

🎯 学習目標

  • ポートフォリオページの全体的なベーススタイルを設定する方法を理解する
  • リセットCSSの役割と実装方法を習得する
  • フォントファミリーやカラーなどの基本スタイルを適切に設定できる
  • コンテナの最大幅とセンタリングの設定方法を学ぶ
  • 適切な余白設計で読みやすいWebページを作成できる

📚 レッスン

プロジェクト概要

今回は、これまで学んできたCSSの知識を全て活用して、架空のポートフォリオページを作成します。HTML構造はすでに用意されており、皆さんにはCSSを中心に設計・装飾していただきます。

今回のプロジェクトの特徴
これは「塗り絵形式」の実践課題です。HTMLの骨組みは用意されているので、CSSで装飾を加えながら完成させていきます。実際の制作現場でもよく使われる手法です。

ステップ1:全体のベーススタイルを整える

まずは、ページ全体の基本的なスタイルを設定します。このステップでは、サイト全体の統一感を出すための土台を作ります。

学習の準備をしよう

このレッスンでは、ポートフォリオサイトの基礎的なスタイリングを行います。コードエディタを使って、実際にコードを書きながら学習しましょう。

設定する内容

  • リセットCSS: ブラウザのデフォルトスタイルをリセットする
  • bodyの背景色と文字色: サイト全体のベースカラーを設定する
  • フォントファミリーの設定: 読みやすいフォントを指定する
  • コンテナの最大幅とセンタリング: コンテンツの最大幅を設定し中央揃えにする
  • 基本的な余白の調整: 適切な余白を設定してコンテンツを見やすくする

リセットCSSを設定しよう

リセットCSSとは、ブラウザごとに異なるデフォルトのスタイル設定をリセットして、どのブラウザでも同じ見た目になるようにするためのCSSコードです。

なぜリセットCSSが必要なのか?

各ブラウザ(Chrome、Firefox、Safari、Edgeなど)はそれぞれ独自のデフォルトスタイルを持っています。例えば、

  • 見出し(h1〜h6)のフォントサイズや余白
  • リスト(ul、ol)のマーカースタイルや余白
  • 段落(p)の余白
  • フォームコントロールの見た目

これらの違いは、同じHTMLコードでもブラウザによって表示が微妙に異なる原因となります。リセットCSSを使用すると、このブラウザ間の違いをなくし、デザインの一貫性を保つことができます。

リセットCSSの基本的なアプローチ
* {
  margin: 0;
  padding: 0;
  box-sizing: border-box;
}

この最もシンプルなリセットCSSは、以下の効果があります。

  • margin: 0; padding: 0; - すべての要素の外部および内部の余白をゼロにリセット
  • box-sizing: border-box; - 要素の幅と高さの計算方法を変更し、paddingとborderを含めるようにします

bodyの背景色と文字色の設定

サイト全体のベースカラーを設定します。背景色と文字色は、サイト全体の印象を決める重要な要素です。

背景色と文字色の設定方法
body {
    background-color: #f8f9fa; /* 明るいグレー */
    color: #333333; /* 暗いグレー */
}

このように、bodyセレクタを使用して、ページ全体の背景色と文字色を一度に設定できます。これがサイト全体のベースカラーとなります。


フォントファミリーの設定

Webサイトの印象や読みやすさに大きく影響するフォントファミリーを適切に設定しましょう。フォントの選択は、サイトの雰囲気や内容に合わせて慎重に行う必要があります。

フォントファミリーの設定方法
body {
    font-family: "Segoe UI", "Helvetica Neue", Arial, sans-serif;
    line-height: 1.6;
}

font-familyプロパティでは、複数のフォントをカンマ区切りで指定します。ブラウザは左から順に利用可能なフォントを適用します。最後にジェネリックフォントファミリー(sans-serif、serifなど)を指定するのが良い習慣です。

line-heightの設定

フォントを設定する際には、line-height(行の高さ)も合わせて設定するとより読みやすくなります。一般的には、1.5〜1.8程度の値が読みやすいとされています。


コンテナの最大幅とセンタリング

コンテンツの最大幅を設定し、中央に配置することで、読みやすく整ったレイアウトを実現します。

コンテナの設定方法
.container {
    max-width: 1200px;
    margin: 0 auto;
    padding: 0 20px;
}

この設定には以下の効果があります。

  • max-width: 1200px; - コンテンツの最大幅を1200pxに制限します。画面がこれより広い場合でも、コンテンツは1200pxを超えないようになります。
  • margin: 0 auto; - 上下のマージンは0、左右のマージンは自動(auto)に設定します。これにより、コンテナが水平方向の中央に配置されます。
  • padding: 0 20px; - コンテナの内側に左右20pxの余白を設けます。これにより、コンテンツが画面の端にぴったりくっつかないようにします。

基本的な余白の調整

コンテンツの読みやすさを向上させるために、適切な余白を設定します。余白は、要素同士の間隔を調整し、視覚的な階層を作るために重要です。

余白の設定方法
/* 見出しの余白設定 */
h1, h2, h3, h4, h5, h6 {
    margin-bottom: 1rem;
}

/* 段落の余白設定 */
p {
    margin-bottom: 1rem;
}

/* セクション間の余白設定 */
section {
    padding: 2rem 0;
}
余白が少ない例

見出しテキスト

テキストが詰まっていて読みにくい状態です。余白が少ないと、コンテンツが密集して見え、読み手の目が疲れやすくなります。

適切な余白の例

見出しテキスト

適切な余白があると、テキストが読みやすくなります。各要素の関係性も明確になり、コンテンツの階層構造が視覚的に理解しやすくなります。

余白設計のベストプラクティス
  • 一貫性のある数値:8px、16px、24pxなど、一定の倍数で余白を設定すると、デザインに統一感が生まれます。
  • 相対単位の活用:emやremなどの相対単位を使うと、フォントサイズに応じて余白が自動調整されます。

お疲れさまでした!以下のリンクから、今回の見本を確認できます。自分の書いた内容と見比べてみてください

ポートフォリオ見本を確認する

チェックポイント:以下の点が実装できていればOKです!
  • ブラウザのデフォルトスタイルをリセットできている(margin、paddingを0に)
  • box-sizing: border-boxを設定できている
  • 背景色・文字色が適切に設定されている
  • フォントファミリーが指定されている

✅ 理解度チェック

クイズに正解すると、このレッスンは「完了済み」として記録されます。

1. リセットCSSを使用する主な目的は何ですか?

2. コンテナを水平方向に中央揃えにするための正しいCSSプロパティは?

3. font-familyプロパティで複数のフォントを指定する理由は?

📚 リファレンス

このレッスンで使用した主要なCSSプロパティと概念:

  • box-sizing: border-box:paddingとborderを要素の幅と高さに含める設定
  • margin, padding:要素の外側と内側の余白を調整するプロパティ
  • background-color, color:背景色と文字色を設定するプロパティ
  • font-family:フォントファミリーを指定するプロパティ
  • line-height:行の高さを設定するプロパティ
  • max-width:要素の最大幅を制限するプロパティ
  • margin: 0 auto:要素を水平方向に中央揃えにする方法

詳細については、CSSリファレンスをご覧ください。

📘 次回予告

次回のレッスン15では、ポートフォリオサイトのヘッダーとナビゲーションをデザインを作成します。

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